Budget Amount *help |
¥3,410,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2008: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
本課題で目指した研究項目を大別すると下記三点になる. (1)超高精度地質圧力計の開発 (2)超高精度地質圧力計の確度検証 (3)マントル捕獲岩に見られる流体貯留部の局所分析 (1)の課題は平成18年度に完結しているため,平成19年度は(2)についての研究活動を重点的に行う計画を立て,予定以上の成果を上げることができた.また,平成20年度に行う予定であった(3)の課題もほぼ完結させることができ,成果を学術雑誌に投稿中である. (2)の課題は,マグマによって運び上げられたマントルの岩石(マントル捕獲岩)中に存在する流体包有物が,その岩石が由来した深度を探る指標になりうるかどうかを検証することに主眼がある.マントル捕獲岩が地球深部から運び上げられた際,岩石周辺の圧力は大幅に減少するが,内在する流体はまだ高い圧力を保っており,その巨大な差応力によって流体包有物周辺の結晶格子が塑性変形を起こす可能性が考えられる.そこで我々は実際にマントル鉱物の塑性変形強度を探る実験を行い,降伏強度の推定に成功した(Yamamoto, et. al., 2008).また,鉱物の弾性的振る舞いについても究明することができた(Yamamoto and Kagi, 2008).マントル鉱物の弾性的・塑性的振る舞いを組み合わせて考察すると,地球深部からもたらされた岩石中の流体の密度がどの程度変化しているのか定量的に推定することができる.つまりその流体の密度は岩石の由来深度をどの程度忠実に反映しているものなのか定量的に議論し,補正することが可能になった. (3)の課題は,顕微分光分析やLA-ICP-MS,鉱物の真空破砕分析法を利用した局所流体分析をマントル試料に適用させることを目指すものである.平成20年度に行う予定であったが予察的な分析に着手することができ,その一部の成果を公表することができた(山本,2007; Arakawa, et. al., 2007). (1),(2),(3)の成果を組み合わせることによってマントル流体の4次元的分布を議論することが原理的に可能となった.
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