Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Research Abstract |
本研究は,非中性プラズマ研究の分野で通常使用される直線型の一様磁場配位に代わり,非一様なdipole磁場中で非中性プラズマ閉じ込めを行い,その特性を実験的に明らかにする事を目的としたものである.Dipole磁場に代表される磁気面を有するトロイダル系において非中性プラズマの安定な閉じ込め配位を確立する事により,従来広く研究が進められてきた単一粒子プラズマにとどまらず,電子陽電子や陽電子反陽子等の多様な非中性プラズマを閉じ込めて実験研究を実施する事が可能となる.本年度の研究では,磁気圏型装置RT-1において,純電子を用いた閉じ込め原理検証実験を行った.超高真空環境の使用とコイルの超電導磁気浮上によりプラズマに与える擾乱を抑制する事で,トロイダル非中性(純電子)プラズマの安定な閉じ込めを実現した.生成した純電子プラズマに対して,静電的な測定法(Langmuir probe及び多点wall probe)により,主に電子入射中の空間電位分布と静電揺動の計測実験を行った.本年度の研究を通して得られた主な成果は以下の通りである. ・定常的な電子入射により,最大-2kV程度の空間電位を形成し,トロイダル電子プラズマを安定に生成した. ・外部からの電子供給を絶った状態で,電子プラズマの500秒以上の閉じ込めを実現した. ・空間電位と揺動の同時計測により,揺動周波数から閉じ込め電荷を推定する半経験式を得た. ・多点計測により,揺動がトロイダル方向にE×B速度で伝搬するdiocotron modeである事を確認した. ・イオン蓄積のtime scale程度の後に発生する不安定性の急成長までは,揺動は安定に推移する. 本研究を通して,磁気圏型配位における非中性プラズマの基本的性質について理解が得られ,磁気圏型配位が各種の荷電粒子から構成される非中性プラズマ閉じ込めの必要条件を満たす事が示されたものと考えられる.
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