Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
非等方な超強磁場中に閉じ込められた多電子系のエネルギー準位構造およびダイナミクスを明らかにすることを目的として,一体力の非等方調和ポテンシャルを取り入れた擬1次元系多電子(N=3-5)モデルハミルトニアンを構築し,多参照相互作用法を用いて固有エネルギーおよび固有波動関数の計算を行った.その結果,前年度に2電子系の解析から明らかにされた二つの性質,すなわち,(i)エネルギースペクトルは,波動関数の節の数によって定義される「ポリヤッド量子数」を近似的な保存量とするバンド構造を持つこと,および,(ii)閉じ込めが弱い極限においては,スピン多重度が異なる準位が縮退し,調和振動子的な等エネルギー間隔のバンド構造を持つことが,3電子以上の系においても成り立つユニバーサルな性質であることが明らかとなった. さらに,電子密度の情報からは得られない,多電子間の協奏的な運動の相関を明らかにするために,3電子波動関数をカーテシアン座標空間に直接可視化するコードの開発を行い,3電子波動関数の空間座標プロット,および,その節構造の解析を行った.その結果,3電子の運動は,「重心モード」,「交換モード」,および,「呼吸モード」と呼ばれる3個の基準電子モードの組み合わせとして表現されることが見出された.また,閉じ込めポテンシャルの非調和性が大きい場合には,これらの基準電子モード間の混合が起こり,別の電子モードへの遷移が起こることが示された.
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