Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
本研究では,申請者が独自に見出しているガス吸着誘起相転移挙動を示す多孔質単結晶を用い,本物質でのガス包接固体生成機構を明らかにする。単結晶X線構造解析による原子配列の厳密解析を主軸としたミクロスコピックアプローチと,ガス吸着・熱測定・顕微鏡観察によるバルク挙動解析によるマクロスコピックアプローチによって,ミクロ構造とマクロ挙動の双方の総体的解釈を目指した。前年度の研究であるミクロ状態およびマクロ挙動の相関の解明に必要な,観測手法の確立と材料探索を行い,ガス吸着によるミクロ状態変化とバルク状態変化双方について矛盾のない総体的な解釈を行った。これまでに安息香酸-ピラジン金属錯体集積体の分子性結晶のみを研究対象として実験を行ってきたが,物質探索の結果,新材料としてトリスエチレンジアミンコバルト(III)塩化物のイオン性結晶を見いだした。この結晶では水蒸気はもちろん無機ガスから有機蒸気まで結晶中の一次元チャネルを拡張したり縮小したりして取り込む特性を明らかにした。これによりガス吸着によって構造変化が誘起される分子性結晶とイオン性結晶の獲得に成功し,様々なガス吸着状態の単結晶X線構造解析を行い,ガス吸着挙動と結晶構造の動的特性について明らかにした。また,本年度が最終年度であるので,総括を行うべく論文発表を積極的に行った。
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