Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
遷移金属錯体は新規効率的・選択的触媒反応や機能性材料を開発する上で欠かせない化合物群である。金属錯体の構造・触媒機能および電気・光物性は用いる金属の種類だけでなく、配位子によっても大きく変化することから、配位子を含めた錯体の設計が重要であり、これまでアルキル基、三級リン配位子、アミン、ピリジンといった様々な電子供与性配位子の有用性が示されてきた。しかし、それと比較して電子受容性配位子の設計・利用は限られている。電子受容性配位子の代表例として一酸化炭素(CO)があげちれ、多くの錯体が合成されているが、配位子であるCOの化学的修飾による空間の制御や多座配位子の合成は困難である。ピリジンの窒素原子を同族のリン原子に置き換えたホスフィニンは芳香族に由来する安定性とリン原子上に局在化した低いLUMOレベルに由来する高いπ受容能を併せ持つため、良い電子受容性配位子として働くことが予想される。しかし、ホスフィニン誘導体を用いた遷移金属錯体の合成、機能物性、触媒活性等に関する研究は限られている。そこで申請者はホスフィニン配位子を有する新規遷移金属錯体を合成および触媒反応への応用を検討した。前年度はη^5-(C_9H_7)Ir(COD)tmbp 1触媒系を用いたアルキンのヒドロシリル化を検討し、trans-β体が高収率かつ高立体選択的に得られることを見出している。そこで本年度はCp基、Cp*基、indenyl基を有するルテニウム-tmbp錯体の合成を行い、その同様のヒドロシリル化反応を検討したところイリジウム錯体ほどの高い触媒活性は得られなかった。
All 2008 2007 2006
All Journal Article (10 results) (of which Peer Reviewed: 6 results) Presentation (11 results)
Journal of the American Chemical Society誌 130
Pages: 2908-2909
Journal of the American Chemical Society誌 129
Pages: 5175-5179
Organometallics誌 26
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Pages: 4835-4839