Project/Area Number |
18750107
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Polymer chemistry
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
佐藤 春実 Kwansei Gakuin University, 理工学研究科, 博士研究員 (10288558)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | 生分解性高分子 / 時間分解小角X線散乱 / ラメラ構造 / 熱的挙動 / ポリヒドロキシブタン酸 / 時間分解小角X線散乱法 |
Research Abstract |
環境問題や資源枯渇問題から注目を集めている生分解性ポリマーの中でも、微生物が再生可能資源から生合成するポリヒドロキシブタン酸(PHB)は、天然由来の高分子化合物の中でも熱可塑性を有する数少ない生分解性ポリマーであるため、合成高分子材料の代替材料としてだけでなく、医用材料としても期待されている。 本研究ではPHBおよびその共重合体の結晶構造とその熱的挙動について、放射光を用いた時間分解小角X線散乱法(SAXS)および赤外分光法による温度変化測定、X線回折(WAXD)測定、DSC測定法等を組み合わせることにより、官能基レベルから分子全体の構造にわたり温度変化に伴う結晶の格子定数の挙動や、らせん構造の変化、およびらせん分子間に形成され、ラメラ構造の安定化に寄与していると考えられる弱い水素結合(C-H・・・O=C水素結合)の熱的挙動について調べた。特にSAXS・WAXD-DSC同時測定からはラメラの厚みに関する情報や結晶性の情報と熱挙動を同じ系で同時に得ることができるため、非常に有益な情報を得ることができる。それにより、PHBおよびその共重合体の等温結晶化あるいは融解過程における結晶部分とアモルファス部分の厚みの時間変化を詳細に観測することができる。 PHBおよびその共重合体における時間分解SAXS測定の等温結晶化過程の結果から、PHBホモポリマーのラメラ厚は共重合体に比べると厚く、結晶部分の厚みはほぼ初期に決定し、結晶化過程においてはほとんど変化がみられなかった。一方、アモルファス相の厚みは減少し、それに伴いラメラ全体の厚みも減少した。一方、共重合体の場合は、ラメラ厚はホモポリマーと比べると非常に薄いものであった。にもかかわらず結晶化度がそれなりに高いのは、やはりラメラ間をつないでいるC-H・・・O=C水素結合の存在によるものであると考えられる。
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