Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Research Abstract |
有機ラジカルは分子設計や分子内外の磁気交換相互作用(J)の制御が可能であることから,これまでに多くの低次元磁性体のモデル物質を提供してきた。本研究では配位能を有するポリラジカル分子を作製し,これと遷移金属イオンを連結させることによって新規磁性金属錯体の作製を目指した。平成19年度はこれまで行ってきた「配位能を有する新規有機ラジカル分子の合成」を継続して行うと共に,前年度までに作製した有機ラジカルと遷移金属イオンの複合化を計画していた。 我々はこれまでに数種類の新規有機ラジカルの合成に成功した。例えば,ビフェニル基の3,3'の位置にイミノニトロキシドラジカルを,5,5'にニトロキシドラジカルを配置したテトララジカルを合成し,その磁気構造を明らかにした。また,ポリラジカル分子の合成中間体である"ビフェニル基の4,4'の位置にブロモ,ニトロキシドラジカルを配置した分子"においては,単結晶の作製に成功し,その磁気構造を解明した。次に,これまでに合成した種々のラジカル分子と遷移金属からなる錯体の合成を試み,多次元磁性金属錯体の合成を目指した。しかし,錯体にすることでラジカル分子の急激な不安定化が進んだために,良質な結晶を作製することはできなかった。一方で,[Ni(mnt)_2]^-ラジカルアニオンなどのジチオレン錯体を用いて新たな結晶を作製することができ,その結晶構造,磁気構造を明らかにした点で,新たな展開を見出した。
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