Project/Area Number |
18750128
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional materials chemistry
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
古海 誓一 National Institute for Materials Science, ナノセラミックスセンター, 主任研究員 (30391220)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 高性能レーザー / フォトニック結晶 / 自己組織化 / 光物性 / 超分子化学 / 発光 / 郡速度異常 / キラリティー |
Research Abstract |
本研究は、キラル液晶分子が自己組織的に形成する超分子らせん構造を利用して、光励起による高効率なレーザー発振を目的とした。基板に対して垂直方向に超分子らせん軸が配列したキラル液晶は、屈折率が周期的に変調しているため、ブラッグの反射条件を満たす特定の波長域で光の選択反射を起こす。すなわち、キラル液晶のらせん構造は一次元自己組織化フォトニック結晶と見なせる。 蛍光性色素を添加したキラル液晶セルをパルスレーザーで光励起すぐと、色素によるブロードな蛍光スペクトルの中に、液晶の反射バンドに由来の発光の抑制とバンド端での発光の増強を観察できた。これは、キラル液晶の反射バンドが一次元フォトニックバンドギャップとして機能し、色素からの発光光子がキラル液晶の超分子らせん構造中で局在化していることを示唆している。さらに、光励起エネルギーを増加させると、反射バンド端で線幅が1nm以下のレーザー発光を観察でき、発光強度は発振前後で数千倍にも増強した。レーザー発光は円偏光特性を有しており、アキラルな液晶材料に添加した数モルパーセントのキラル剤の不斉炭素に決定される。さらに、励起パルスレーザー光の円偏光状態をキラル液晶のらせん方向と反対に設定すると、高効率にレーザー発振することを見出した。この時のレーザー発振に要する光励起パワーのしきい値は、従来報告されているキラル液晶によるレーザー発振のしきい値と比較すると、一桁以上も低く、円偏光で励起することで高効率なレーザー発振に成功した。また、自己組織化フォトニック結晶に関する研究の一環として、コロイド結晶を用いたレーザー発振も見出した。
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