Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
タンパク質の構造を同定するための有力な手法の一つにX線結晶構造解析があるが,そのためにはタンパクを結晶化するための技術が必要不可欠となる.結晶化されたレドックス活性なタンパクを電気化学者の立場でみると,タンパク分子が高い配向性をもって極めて高密度に集合したデバイスであると言える.そこで,結晶化タンパクの酸化還元挙動を電気化学的に直接計測する手法を確立することができれば,極めて優れた特性を持つタンパクデバイスを作成するための足がかりになると考えられる.本研究では0.1〜1mm程度のレドックス活性タンパク結晶に適合したサイズの微小電極を作成し,電位を印加した際の酸化還元に伴う電流を観測した.その結果,血糖計などに広く用いられているグルコースオキシダーゼの結晶中に微小電極を接触させ,基質であるグルコースと電子メディエータのフェロセンメタノールを加えるとこれらが結晶内に拡散していき,タンパクが結晶状態を保った状態のままで酸化還元応答を示すことが確認された。また,電子移動タンパクの一種であるマビシアニンを用いて測定を行ったところ,分子が非常に高密度・高配向であるため,溶液中では不可能なマビシアニン-電極間の直接電子移動を観測することに成功した.さらに,銅タンパクの一種であるCuNiRに対して2-メチル-1,4-ベンゾキノンを電子メディエータに用いて電気化学・顕微分光の同時測定を行ったところ,電気化学的な酸化還元に伴って結晶の光吸収スペクトルが変化することが確かめられた.
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