Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Research Abstract |
昨年度分子構造を最適化したポリエーテル系電解質(SPE-3)をガス拡散電極へ適用し,その物性を評価した。SPE-3をジメチルアセトアミドに溶解し,市販の白金ナノ粒子高分散担持カーボンブラック(Pt-CB)触媒と混合した。ペースト化した溶液をスプレードライヤーを用いて蒸発乾燥させ,SPE-3を被覆したPt-CBを調製した。電子顕微鏡観察から,SPE-3電解質が触媒上に2-3nm程度の厚さで均一に被覆できていることを確認した。また,水銀ポロシメトリー測定により,触媒のナノ空間にも電解質が充填できていることが示唆された。 調製したSPE-3被覆Pt/CB触媒を水/2-プロパノール溶液を用いて再度ペースト化し,撥水化処理を施して拡散層を塗布したカーボンペーパー上に塗布してガス拡散電極とした。SPE-3とカーボンの重量混合比が異なる(SPE-3/CB=0.5,0.8,1.1)3種の電極を調製した。作製した電極は,Nafion NRE212膜を用いてホットプレスを行うことによりMEAとした。セル温度を80℃とし,燃料に加湿水素,酸化剤に加湿酸素を用いて燃料電池運転を行った。オーム抵抗は電解質膜の抵抗(0.05Ωcm^2)よりも若干高い値であったが,カソード加湿温度を上げることにより電解質膜抵抗とほぼ同じ値にまで低下した。SPE-3/CB比やカソード加湿条件が異なるいずれの条件においても,アノード分極はほぼ無視できるほど小さい値であった。一方,カソード特性は低電流密度では比較的優れた性能が得られたが,高電流密度においては特に高加湿条件で著しい分極の増大が認められた。高加湿条件ではSPE-3の膨潤が大きく,酸素の拡散が阻害されるためと考察できる。アノード加湿温度を低下することによりカソードからの生成水逆拡散が増大し,性能を向上させることに成功した。
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