Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Research Abstract |
1、アゾカリックスアレンおよびシクロデキストリンの超分子超薄膜からの光徐放の定量 シクロデキストリンおよび光照射により放出可能なホスト分子であるアゾカリックスアレンの包接化合物の超分子超薄膜を作製した.この超薄膜を基板上に作製し,初年度に導入した備品によりゲスト分子の放出挙動をモニターした.メントールなどのモノテルペン類をゲスト分子に用いた場合のゲスト放出速度を水晶発振子微量天秤により定量した.溶液中ではアゾカリックスアレンの光異性化により包接反応の平衡を傾けることができたが,基板上に累積したアゾカリックスアレンの光異性化速度は遅く,光照射条件あるいは製膜条件を変化させてもゲスト分子の放出を促進できなかった.ただし,製膜過程で超高圧処理技術を併用することで,ゲスト分子の放出速度が可変になることを示した. 2、高分子に結合した超分子部位からの光徐放の定量 高分子に結合したアゾカリックスアレンも固体基板上では光応答性を確認できなかった.また,包接化合物を高分子に結合した場合には膜中のゲスト分子の密度も低下し,ゲスト分子の電気化学応答も不明瞭となった.1)で検討した低分子包接化合物の方が,膜中のゲスト密度が高いためゲスト分子の機能(電気化学応答や放出による薬効)を発揮する上で有利であった. 3、包接化合物の薄膜への光照射によるパターン形成と光電気化学特性 今回検討した膜状包接化合物においては,基板上での光異性化反応・ゲスト放出の効率が低く,原子間力顕微鏡で観測できるパターンを形成することはできなかった.ただし,フラーレンC_<60>をゲスト分子に用いた場合には,C_<60>が1個/nm^2という高面密度で存在しているにも関わらず,孤立したC_<60>に近い電子遷移を観測された.包接反応を利用してホスト分子の分子内空隙に個室化することで,ゲスト分子本来の電子特性を維持した超薄膜を調製可能にした.
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