Project/Area Number |
18760028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thin film/Surface and interfacial physical properties
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
大野 真也 Yokohama National University, 工学研究院, 特別研究教員 (00377095)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | 表面・界面物性 |
Research Abstract |
本課題の目的は、電子線照射下で酸化を行なうことにより極薄酸化膜を効率的に形成する条件を見出しかつその過程をリアルタイム光学計測により明らかにすることである。 平成19年度には、電子線照射下でのSi(001)表面の酸化促進反応の研究を室温と低温(110K)において開始した。室温の場合には、表面差分反射分光(SDR)と反射率差分光(RDS)により酸化反応が促進されることが確かめられた。SDRでは、表面感度の良いp偏光を用いた場合には電子線照射によるスペクトル構造変化は見られなかったがs偏光では僅かな違いが観測された。RDSでは、E1遷移とE2遷移に対応するピーク強度の比が僅かに変化することが分かった。低温(110K)の場合には、通常の酸化での酸化速度が室温に比べて速いことを確認した。室温酸化と同じ条件下では、電子線による酸化の促進反応に関して明確な結果は得られなかった。電子線励起によるスペクトル構造の変化は、室温、低温(110K)ともに微弱であった。さらに定量的な解析を進めるためには、電子線照射条件を変えた綿密な測定を行なう必要がある。 本課題の実施期間中には、高融点金属(Ti,Hf)の電子線励起酸化過程をSDR/RDSを用いて明らかにするまでには至らなかった。しかしながら、RDS光学系を構築し低温(110K)を含めた電子線励起酸化の研究を発展させることが出来た。また、Si(001)表面の熱酸化過程に関しても多くの知見を得ることができた。さらに、電子線励起による欠陥形成過程についても定量的な成果が得られた。これらの結果と対比させる形で、電子線励起酸化メカニズムの考察をさらに進展させることが期待できる。今後は、SDR/RDSを複合的に用いた解析によりチタン酸化膜やハフニウム酸化膜などの高誘電率絶縁膜の形成過程の研究を推進していく予定である。
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