Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Research Abstract |
本研究では,X線回折を利用した生体骨の微視構造解析と,マクロスケールにおける生体骨の構造・力学特性を組み合わせたマルチスケール複合構造の力学挙動解析手法を提案し,得られた生体骨のマルチスケール複合則を考慮したリモデリングシミュレーションへの応用を目的とする.平成19年度では,以下の研究成果が得られた. 1.骨組織の力学特性に及ぼすアパタイト-コラーゲン成分の影響 微視的には無機質のアパタイトと有機質のコラーゲンからなる複合構造である骨組織では,これらの構造および力学特性が組織の巨視的な力学特性を決定する要因となっている.本研究では,脱灰処理によるアパタイト含有率の変化や,加熱によるコラーゲンの変性によって,それぞれ組織の弾性率,強度,破壊エネルギーに影響を与えることを確認し,巨視的力学特性における微視構造要素の役割を明らかにした. 2.X線回折を用いた骨組織内残留応力測定 骨組織は力学的環境に適応し,構造と形状を再構築するリモデリング機能を有する.その力学的要因に応力がある.この応力は骨組織内に留まる一種の残留応力と考えられる,そこでアパタイト-コラーゲンからなる骨の微視構造に着目し,X線回折により測定されるアパタイト結晶格子ひずみから残留応力の推定を行った. 3.骨の微視構造を考慮した複合構造モデリングへの応用 上記の力学応答特性ならびに残留応力発生メカニズムの解明への応用を目指し,アパタイト-コラーゲン要素からなる骨組織モデルを構築した.また得られた実験的データをもとに有限要素シミュレーションにより微視的な構造パラメータを同定し骨の階層構造モデリングが可能となった.
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