Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
|
Research Abstract |
本研究課題では,FRPのクリープ挙動を均質化理論に基づきマルチスケール的に解析する手法を開発し,その妥当性を検証した.本年度の研究成果は次のようにまとめられる. 1.前年度に開発した時間依存均質化理論によるFRPのクリープ解析手法を利用し,一方向強化CFRPの高温クリープ解析を行った.解析対象は,T800H/#3631一方向強化CFRP(東レ(株)製)とし,クリープ温度は100℃とした.また負荷方向として,非主軸角30°の場合と45°の場合の2種類を考え,それぞれの場合につき,3種類のクリープ応力を与えて解析した.このようにして得られた解析結果は,実験により得られた実際の一方向強化CFRPのクリープ挙動を精度良く予測した. 2.つづいて,本解析法を用いて,多方向強化CFRP積層板の高温クリープ解析を行った.解析対象は,T800H/#3631クロスプライ積層板およびアングルプライ積層板(いずれも東レ(株)製)とし,クリープ温度は100度とした,それぞれの積層板に対して,いくつかの負荷方向およびクリープ応力を設定して解析を実施した.この解析結果もまた,実験結果と良い一致を示すことがわかったが,特に,低応力クリープを精度よく予測することが示された. 3.繊維/母材界面に損傷を有する場合のFRPをモデル化し,この場合における高温クリープ挙動を解析した.この結果を界面損傷を有しない場合の解析結果と比較し,弾性係数の低下およびクリープの増大が見られることを確認した.このような傾向は,特に非主軸クリープにおいて顕著に見られた. 以上のことから,本研究課題では,時間依存均質化理論によるマルチスケール解析法を用いることで,FRPのクリープ挙動を精度良く予測できることが示された.このことは,本解析手法が,高温・高応力等の苛酷な環境下で使用されるFRPのための評価・設計ツールの一つとなり得ることを意味する.
|