Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
本研究では,工学的に利用される金属材料における微視組織形成過程のシミュレーションと,形成された微視組織を持つ材料の巨視的力学特性評価に関する数値解析モデルの構築を行うことを目的とし,主にフェーズフィールドモデルによる微視組織形成過程における相・温度・応力/ひずみの連成解析に関する基礎式を構築した.また,有限要素法による数値解析を行うことによって,微視組織が形成される過程における応力変化および残留応力生成のシミュレーションを行った.特に,本年度においては,従来の固相変態モデルに加え,凝固組織形成過程における応力生成過程のシミュレーションを行い,デンドライトのような複雑な形態を有する微視組織内の応力分布を明らかにした.全体が凝固した状態における残留応力は,デンドライトの形状や分布に依存し,平均的には同程度の応力でも,局所的な応力の最大値が大きく異なることを示した.これによって,巨視的材料強度が微視組織に大きく依存していることが明らかになった,また,より微視的なアプローチから,結晶粒界における材料挙動のモデル化を図るため,結晶粒界をモデル化した分子動力学シミュレーションを行い,微視組織形成過程における粒界挙動を調べた.様々な結晶方位を有する粒界モデルを作成し,粒界を成す結晶方位差に依存した粒界エネルギーを求めるとともに,原子の再配列による粒界の形状,形態変化の解析を行った.その結果,粒界エネルギーを用いることによって,粒界の安定性や動的な結晶再配列の予測がある程度可能であることを示した.
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