Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
板厚0.4mmのホウケイ酸ガラスを試料としたミスト冷却と炭酸ガスレーザによる熱応力割断実験と有限要素解析をおこない,冷却を併用した熱応力割断メカニズムの解明に努めた.ガラス平板の炭酸ガスレーザの吸収特性は表面吸熱であり,加熱面表面に急峻な温度上昇が起こる.この温度上昇域近傍を同時かつ連続的にミスト冷却するとミスト噴霧領域には高い引張応力が生じるので,この引張応力が作用する領域内に,割れ目(以降,き裂)が存在すれば,き裂は連続的に進展しガラス等の脆性材料の割断が可能となる.き裂生成において,支配的なパラメータとして加熱源と冷却源の相対距離があり,生成可能なき裂の板厚方向形態が異なる.加熱源と冷却源の距離が近接側にて表面き裂が生成され,遠方側にて貫通き裂となるといえる.また加熱方法の影響因子として,移動速度,加熱源形状,加熱密度が上げられ,この4つのパラメータをうまく組み合わせることで,所望のき裂生成が可能となる.またミスト冷却による冷却熱伝達の評価方法として,非定常熱伝導解析の逆解析手法の他,ミスト冷却を併用した比較的低速の貫通き裂生成実験と有限要素解析を組み合わせた生成系シミュレーション手法により,冷却熱伝達の定量評価が可能となっている.ミスト冷却を併用した熱応力割断の加工条件の推定法として,有限要素法に破壊力学を適用した熱応力解析プログラムを構築した.最後に,現状で接触式加工法にて分断不可能な板厚50μmの超極薄ガラスの割断が嘱望されており,冷却を併用した熱応力割断は益々優位となるだろう.
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