Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Research Abstract |
本研究は,ナノ・マイクロ粒子混相流のフロンティア領域創成を目指して,新たなナノ・マイクロ粒子流動モデルを実験結果と統合解析することにより構築し,超音速ジェット中におけるナノ粒子の複雑流動,粒子と基板との衝突・複雑干渉及び皮膜形成過程を詳細に解明することにより,ナノ・マイクロ粒子流動が要となるナノ・マイクロ粒子超音速ジェット加工(コールドスプレー),さらにはその歯科医療への応用展開,ナノ粒子創製プロセス等に幅広く貢献することを目的として行ったものである。 最終年度である平成19年度には,高速気流と粒子との運動量交換による従来の粒子加速法に加え,コロナ放電により粒子を積極的に帯電させ,粒子を静電気力により加速する方法に着目し,静電気力を活用したナノ・マイクロ粒子超音速ジェット加工を対象として,固気混相流モデルおよび粒子のスプラット形成モデル,さらにはスプラット積層による皮膜形成モデルを統合したマルチスケール・マルチフィジックス統合解析を行うことに成功した。これにより,粒子注入から皮膜創成までの全プロセスを再現し,システム全体の性能評価を行うとともに,高性能化および最先端歯科医療への応用展開のための基礎資料を提供した。さらに,従来の方法では,衝撃波発生下において急激な減速作用を受けるために使用することができなかった数100ナノオーダー以下の粒子に対して,静電加速がより効果的に作用し,その結果付着効率が大きく向上することを明らかにした。得られた成果は,日本機械学会第85期流体工学部門講演会,日本混相流学会年会講演会等の国内学会やInternational Thermal Spray Conference, 5th Joint ASME/JSME Fluid Engineering Conferenceにおいて発表された。日本混相流学会年会講演会で発表された本研究成果は,年会講演会論文審査委員会で優秀と認知され,混相流研究の進展2(論文精選集)に招待論文として掲載され,今後の混相流研究および微粒子流動加工技術発展に大きく貢献した。また,国内の溶射メーカーから共同研究のための可能性研究の申し出があった。最終年度に得られた研究成果を論文にまとめ,Powder TechnologyおよびASME Journal of Fluid Engineeringに投稿した結果,掲載可の判定を得ており,現在印刷中である。
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