Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
|
Research Abstract |
磁場下における二相流や自由液面流れというのは,鉄鋼業や原子力工業に関連して実際に見られる現象であり,その基本的な流動メカニズムの定量的な把握が急務とされている。対象となる液相の流体は主として液体金属であり,常圧の空気と接する場合には大きな密度比になる。気液二相流の数値解析の難しさは,この密度比に因るところが大きく,また気相・液相の各々の質量バランス保持しながら時間発展させて解析することは困難であることが多い。さらに,気液界面に働く張力を考慮する必要があり,また磁場印加に起因する電磁力や磁化力が流体自身に作用するので,さらなる複雑さを伴う。 当初の研究実施計画では,高密度比計算の可能性,界面のぼやけの低減,体積保存性の確保,磁石を用いた実験,固体壁の濡れ性の検討,温度依存性の考慮を掲げたが,そのうちほぼ達成されたのは,固定メッシュを用いた高密度比計算であり,1000程度までなら可能である。界面のぼやけの低減,体積保存性の確保,固体壁の濡れ性については,数学モデルの構築が非常に難しく,未だ成功していない。また温度依存性を含む二相系問題は,界面に対して接線方向にも力が働くのでマランゴニ対流を含むいっそう複雑な問題であり,これも未解決である。 研究成果として公表したのは,雑誌論文1件,学会発表8件である(その他,投稿済みの論文や投稿予定の論文原稿もある)。その成果内容は,一様磁場印加下においての,液体金属中を上昇する単一気泡,回転円筒容器内の自由表面流れ,テーラー・クエット流れ,液滴の振動,ダムブレーク問題などである。研究課題名にあるように,定量的把握のために,支配方程式を無次元化し得られる幾つかの無次元数をパラメータとして解析を行い,理論値や実験値との比較も一部では検討し,定量的な一致を確かめている。
|