Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
|
Research Abstract |
H19年度では,種々のフィルム冷却孔形状が主流と冷却空気の混合メカニズムに与える影響をより詳細に検討するため,前年度に開発したアセトンを用いたLIFによる濃度場(熱・物質輸送のアナロジーにより温度場に相当)の時間平均分布測定法を,瞬時値の計測が可能になるように改良を行った.また,流れ場の計測にPIVを用いることで,測定断面における流れ場と濃度場(温度場)の瞬間同時測定を可能にした.これにより,主流と冷却空気の混合状態の詳細を捉えることが可能になり,種々の冷却孔形状がフィルム冷却の熱流動構造にもたらす効果を瞬間流れ場・温度場の観点から検討することが可能になった.具体的には円孔とシェイプト孔による混合状態の相違を瞬時場に基づいて検討した結果,円孔とシェイプト孔の双方で,主流と冷却空気の速度差に由来する自由せん断層の不安定性に起因する準周期的な渦によって,主流と冷却空気め混合が促進されていることが明らかになった.また,円孔では冷却空気が主流を貫通し,さらに冷却孔出口近傍で形成される腎臓形状の二次渦による冷却空気の巻き上げによって,冷却孔下流での冷却効果が減少することが分かった.また,数値計算においては,LESに比して計算負荷が低く,工学的な応用にも適用可能なDESを用いて種々の冷却孔形状に関する非定常乱流数値解析を行い,実験との比較を行った.その結果,時間平均場におけるフィルム冷却効率分布の形状や大きさを比較的良い精度で再現できるものの,瞬時流れ場・温度場の再現性には問題が残ることが分かった.また,シェイプト孔においては冷却空気の主流への拡散がDESでは低くなる傾向が見られた.以上の結果から,フィルム冷却の熱流動場を最適化する上での冷却孔形状の変更指針を得るとともに,その効果を評価する実験手法,数値解析手法の構築を行うことができた.
|