Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本年度は,応力分布を直接的に測定することが可能なセンサ内蔵型ホイールの整備を進め,さらにテラメカニクスと呼ばれる土壌と機械の相互力学関係を取り扱う学問分野を背景に,車輪走行力学モデルに必要な土壌パラメータの推定を行った.このホイールは,ホイールの周囲に直接センサを取り付けるもので,ホイールの接触面の接地圧と,その接地面の範囲の計測を可能とするものである.これにより,正確な土壌パラメータの推定を行うことが可能となり,その土壌におけるローバーの駆動力を推定することが可能となる. 土壌パラメータの推定には,一輪実験装置ならびに応力分布測定ホイールにより,研究室で所有する「レゴリス・シミュラント」という粒径が非常に小さい土壌ならびに,テラメカ標準砂の一つである豊浦砂という粒径の揃った土壌を利用した.これらの土壌の上で,ホイールをスリップさせながら走行させ,センサから得られる応力分布を測定した.この測定実験の過程で,従来信じられてきた幾何学的な応力発生範囲と比較し,実際の走行車輪における応力の発生範囲は,車輪接地面全体のごく一部であることを発見した.さらに,実験結果より判定した応力分布を駆動力モデルに適用して算出した駆動力と,六軸力覚センサにより実測した駆動力との比較を行うことで,土壌パラメータの中でも最も推定が困難であった土壌の変形係数(走行する車輪形状に依存する係数)の推定に成功した.この手法を実ローバーに応用することで,ローバーが走行しながら,土壌パラメータをオンライン推定することが可能となり,さらに駆動力の逐次推定を行うことも期待できる.
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