Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
本年度は,主として高品質ナノサイズ強誘電体の作製・構造制御とその分極反転のSPM観察に取り組み,以下の知見を得た. 1.SrTiO_3(100)傾斜基板上に作製したPt薄膜上では,PbTiO_3ナノ構造の自己集合化がPtのステップに律速され,これが配置制御に応用できる可能性があることを見出した. 2.面心立方構造を持つPt,Irとペロブスカイト構造を持つSrRuO_3,SrTiO_3,PbTiO_3をSrTiO_3(100)基板上に積層し,それらの成長様式が格子不整合によらず,結晶構造の違いのみにより決定されることを見出した. 3.SrTiO_3(100)基板にコヒーレントに成長したPt及びSrRuO_3薄膜上にPbTiO_3薄膜をエピタキシャル成長させたところ,Pt薄膜上ではSrRuO_3,薄膜上よりも90゜ドメインが形成されやすく,容易に応力緩和されることを見出した.また,Pt薄膜上のPbTiO_3ナノ構造はc-ドメインのみで構成され90°ドメイン形成による応力緩和は見られなかった. 4.X線CTR散乱測定により,SrTiO_3(100)及びSrRuO_3/SrTiO_3(100)基板上に作製した膜厚3nm以下のPbTiO_3の膜厚及び格子定数の解析を行った. 5.PFMにより圧電特性のサイズ依存性を調べた結果,PbTiO_3ナノ構造ではその幅にはほとんど依存せず,高さに依存して圧電特性が変化することを明らかにした.特に高さ10nm以下では急激に圧電定数が低下した.また,PbTiO_3ナノ構造では分極反転ドメインの形成が困難かつ不安定であるのに対し,PbTiO_3薄膜は容易に分極反転させることができ,分極反転ドメインも比較的安定であった. これらの知見より,ナノサイズ強誘電体では90゜ドメイン構造とそれによる応力緩和が分極反転に大きな影響を及ぼすと結論づけられる.今後はより定量的な評価を進める.
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