Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
一般的には困難である,出水中の河川状態の推定に関する取り組みであり,特に出水中の河川構造物が安全であるかどうかを検証するリアルタイムでのヘルスモニタリングを行うための取り組みである.手法としては時系列解析と物理モデルを組み合わせた独自の手法を用いるもので,本取り組みの一部は2件の知的所有権の取得に至っている.その中で,H19年度における取り組みでは,主に河川橋梁の振動に,風および流水の影響が混同して影響しており,特定の周波数帯に注目することで,両者の大まかな分離が可能であること,また,流水の影響は澪筋の変遷や出水中に時々刻々と変化する河床変動によって影響を受け,河川橋梁以外の橋梁で検討されている多くの安全性診断手法を河川橋梁にそのまま適用することが難しいという知見を得ることができた.河川橋梁が存在すると,周囲の河川堤防は,その橋梁の振動特性が伝播し,橋梁と同じ周波数帯に大きなスペクトル値を示すことが分かった.河川堤防のヘルスモニタリングを振動の波形解析から行おうとする場合,その立地条件によって大きく影響を受けることが明らかとなった.破堤状態を模した,大型降雨実験装置における土砂崩壊実験によって,土砂崩壊時における内部に埋設された加速度センサの計測結果の特性が検討され,崩壊に先駆ける約20分前に,ドリフトによる微弱な兆候を示すことが分かった.これを捉えることで河川堤防も含め,盛土構造物の崩壊に対して早期にその危険性を検知する警報装置に本研究の計測システムが有効であることを示すことができた.一方で,構成材料が不均質で歴史的に様々な施工方法であった河川堤防の取り扱いが極めて困難であり,その計測および診断手法の構築に向けては,今後更に多くの課題が残されていることが明らかとなった.
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