Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
北海道のような積雪寒冷地では,夏期と冬期の交通行動を観察すると,交通機関の選択率が変化することが既存調査から明らかとなっている.たとえば,軌道系交通機関の選択率は冬期に増加し,これとは逆に道路交通の選択率は減少する.これは,冬期には道路が雪に覆われ,滑りやすい状態になるだけではなく,堆雪により有効幅員が減少するため,こうした現象が影響して,道路交通のサービスレベルが大きく低下するためと考えられてきた.したがって,積雪寒冷地の冬期の交通行動を包括的に捉えるためには,除・排雪に代表される冬期路面管理を考える必要があり,さらには,道路交通以外の交通機関への影響に配慮しなければならない.本研究では,冬期路面管理レベルが交通行動に与える影響を包括的に表現する交通モデルの構築を行い,交通ネットワーク上の社会的費用が最小化される冬期路面管理レベルを検討している.本モデルでは,冬期路面管理費用と交通ネットワーク上を移動する人の時間費用の和を社会的費用と捉え,それを最小化する問題(NDP: Network Design Problem)として交通現象を定式化している.本研究で定式化したNDPでは,冬期路面管理レベルが変化すると人々の交通行動,たとえば,交通機関選択,経路選択等が変化し,これは確率的均衡条件によって表現される.したがって,一般的にNDPは,均衡制約付き最適化問題として定式化されているが,本研究では,確率的均衡条件に対する感度分析に基づくアルゴリズムも示している.数値実験を行った結果,冬期路面管理レベルによる人々の交通行動の変化が再現できることを確認し,さらには,最適な冬期路面管理レベル,すなわち,社会的費用を最小化する冬期路面管理レベルを求めることが可能であることを確認した.
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