Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
本年度前半は,非定常な性質を示すデータに対して,長期記憶性に関する構造方程式を仮定した時空間統計モデルの開発を行った.なおこの分野については,近年特に研究成果が活発に発表されているため,最新の研究成果を積極的に取り込むことに留意して論文レビューを行った.長期記憶性を考慮した時空間統計モデルによって,多時点の地域生産関数を推計し,社会資本整備効果の時間的な波及効果と,空間的な波及効果の大きさを定量的に明らかにすることができた.この研究により,地域の社会資本整備を相互に連携して戦略的に行う必要性が示された.なお得られた研究成果は,土木学会論文集へ投稿した. 本年度後半は,開発した時空間統計モデルに基づいて,地域間の知識交流による生産力の向上(知識のスピルオーバー効果)を考慮した地域生産関数モデルの開発を行った.このモデルは,社会資本整備の時間波及効果と空間波及効果の相乗効果を明らかにすることができる.開発したモデルを適用したところ,社会資本の生産力効果りうち,知識のスピルオーバー効果が占める割合が極めて大きいことが明らかとなった.この研究成果については,土木計画学・研究論文集への投稿を予定している.さらに,交通ネットワーグサービス水準および地域間流動との関係については,Wilsonの不均衡モデを応用した実証モデルを開発し,分析を行っな.業務集積量と地域間流勢に関する統計分析の結果,交通ネットワーク資本が業務集積量に有意な影響を及ぼしていることが分かった.この研究成果については,土木計画学研究・論文集への投稿を行った.最後に,以上の研究成果を踏まえて交通ネットワーク整備を含む社会資本整備効果をモニタリングする上では,長期的な戦略と適切な地域間連携が重要であることを明らかにした.
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