Project/Area Number |
18760413
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Building structures/materials
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 拓海 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 助教 (50376498)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 建築構造 / 鋼構造 / 耐震 / 地震応答解析 / 地震応答実験 / 非線形数値シミュレーション / 降伏曲面 |
Research Abstract |
多自由度系の骨組構造物が地震時に崩壊機構を形成すると、系の振動特性と入力エネルギーが変化し、また塑性崩壊面の法線ベクトルに応じて変位増分(速度)分布が変化する。これらの影響により、弾性範囲では単一の振動モード成分のみが卓越すると予想される場合でも、崩壊機構形成後に他の振動モード成分の応答荷重が増加することがある。その結果、崩壊機構形成後に励起されるモード成分に敏感な崩壊モードが予想外に発生することがある。そこで本年度の研究では、崩壊機構形成後にモード成分の荷重分布が変化する可能性について検証した。 地震荷重や風荷重に対する骨組構造物の弾性荷重効果の最大値分布については、継続時間とランダム変数の標準偏差のポアソン過程に従うことが知られている。しかし、多自由度系の骨組構造物における弾塑性応答系の場合は、上述のように限界状態関数の法線ベクトルによって復元力増分が変化するため、最大応答値予測は容易ではない。そこで本年度の研究では、崩壊機構形成後に振動モード成分の弾塑性応答量がどのように変化するのかを数値シミュレーションによって検討し、最大応答値分布を求めた。なお、本研究では、弾塑性最大応答値分布と関係すると予想される新たな指標として、弾塑性復元力増分に対する限界状態関数の感度を定義した。高次モード成分の弾塑性復元力増分に対して感度の高い限界状態関数を持つ構造物の場合、最大応答値分布のばらつきが大きくなる可能性があることを示した。 本年度の研究成果により、多自由度系の骨組構造物の弾塑性応答予測では、複数の振動モード成分の影響を適切に考慮することが必要であることを示した。さらに、崩壊機構形成後の荷重効果の変動を考慮した弾塑性最大応答値予測法の開発に供するための統計データを作成した。
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