アルカリ金属流体の低密度化による電子強相関金属相の形成とそのミクロ構造の解明
Project/Area Number |
18760495
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical properties of metals
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松田 和博 Kyoto University, 工学研究科, 助教 (50362447)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | アルカリ金属 / 電子ガス / X線回折・散乱 / 放射光 / ミクロ構造 / 小角散乱 |
Research Abstract |
近年の多体理論の進展により、低密度電子ガスの圧縮率が負となることが明らかにされている。負の圧縮率は、いわゆる総和則により、電子系の電荷遮蔽効果を記述する誘電関数が負となることに相当する。金属流体では、電子系とイオン系は強く結合しており、電子系の電荷応答の大幅な変化は、電子ガスを介したイオン間の有効相互作用を大きく変化させる。低密度化により電子系の誘電関数が負となる状況では、イオン間の有効相互作用が、より引力的になることが考えられる。本研究では、アルカリ金属流体の超臨界状態を利用して低密度電子ガス系を実験的に実現し、流体中のイオン系のミクロ構造を調べることにより、未だ解明されていない低密度電子ガス系における負の誘電関数の物理的本質について解明することを目的とする。これまで報告者が実施してきた流体ルビジウムのX線回折実験の結果によれば、体積膨張による平均原子間距離の増大にも関わらず逆に二体相関関数から得られた最近接の原子間距離が縮小するというミクロ構造の変化を見出した。このことは、イオン間相互作用が低密度化に伴いより引力的になることを示し、電子系の負の誘電関数に起因する構造変化である有力な証拠を得ている。本年度は、同族元素のカリウムを対象とした。これまで流体試料の気密接合の実現に高温ロウ材を用いてきたが、流体カリウムの場合、ロウ材による溶接箇所が、1100℃付近で腐食されるという問題があった。ロウ付け溶接に代わる接合技術として、ロウ材を用いない電子ビーム溶接を利用したセルの開発に成功し、融点近傍から1600℃までのカリウムのX線回折実験を実現した。流体ルビジウムと同様に低密度化に伴い、最近接の原子間距離の低下が観測され、電子ガス系の負の誘電関数との関連を示唆する結果となった。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)