Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2007: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Research Abstract |
本研究では,「高強度かつ強度-延性バランスの優れた鉄鋼材料」作製の試みとして,「結晶粒微細強化」,「複合組織化」,「混粒化」の3つの強化機構を組み合わせた鉄鋼材料を作製し,その機械的特性について検討を行った.まず,強度-延性バランス向上の一手段として結晶粒微細強化と複合組織強化を組み合わせた,微細フェライト-パーライト(FP)鋼の作製を試みた.超微細FP鋼作製の手法として,2種類の粉末を混合し固化成形する手法を考えた.作製した試料の組織観察を行ったところ,目的とする結晶粒径が約2μmの微細組織が得られていた.作製した微細FP鋼の引張強さ(TS)と均一伸び(U.El)の関係は,パーライト体積率増加によりTS, U.E1ともに向上した.これは,平均粒径が小さくなるとフェライトの強度は高くなるものの加工硬化能が小さくなるため,パーライトとの複合組織化が均一伸びの確保に好ましいという計算結果と一致する.以上より,結晶粒微細化強化と複合組織強化の組み合わせによる特性向上を明らかにすることができた.また,「混粒化」の影響を調べるために,同じく粉末を用い微細結晶粒と粗大結晶粒からなる混粒フェライト単相鋼を作製し,その引張特性を調査した.混粒フェライト鋼の変形応力は,平均粒径ではなく粒度分布より求められる実効粒径により整理できることや,微細,粗大粒各組織の平均粒径とその体積率により決定されることを明らかにした.
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