高窒素含有粒界相の形成による超耐熱窒化ケイ素セラミックスの開発
Project/Area Number |
18760535
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Structural/Functional materials
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
末廣 隆之 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 助教 (20421406)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 窒化物 / 希土類 / 窒化ケイ素 / 状態図 / 構造材料 / 耐熱材料 / セラミックス |
Research Abstract |
本研究ではこれまでに1400℃の耐用温度を達成したLu_4Si_2O_7N_2を上回る耐熱性を有する新規高窒素含有粒界組成の探索を目的に、従来未踏の領域であるSi_3N_4-Lu_2O_3-LuN系状態図と新規酸窒化物相の基本物性を明らかにすることにより、耐用温度1500℃を目標とする超耐熱窒化ケイ素セラミックスの開発に関する基礎データの構築を試みた。 Si_3N_4-Lu_2O_3-LuN系原料を加圧窒素雰囲気中1850℃において120hに至る焼成を実施することにより相平衡を考察し、Si_3N_4-SiO_2-Lu_2O_3-LuN四元系状態図を新たに解明した。本系ではY系とのアナロジーが認められ、Si_3N_4-LuN間における二元系窒化物は存在しないことが判明した。一方、Si_3N_4と平衡関係にある新規高窒素含有相としてLu_3Si_5ON_9およびLu_6Si_<11>ON_<20>の2相の存在が確認された。両相を単相として得た試料に関するX線Rietveld解析結果から、Lu_3Si_5ON_9はY_3Si_5ON_9と同型の斜方晶系(空間群Pbcm)、およびLu_6Si_<11>ON_<20>はEr_6Si_<11>ON_20と同型の三方晶系(空間群P31c)の結晶構造を有することが明らかとなった。両組成に関する室温から1500℃の範囲における熱重量分析を行った結果、大気中における粉体状態での酸化開始温度は従来のLu_4Si_2O_7N_2相に比較して200℃以上高いことが確認された。 以上の結果より、Lu_3Si_5ON_9およびLu_6Si_<11>ON_20がSi_3N_4焼結体中における粒界結晶相としてより優れた高温特性を与えることが予想されると共に、焼結助剤として添加した場合、不純物酸素のゲッター効果による低融点粒界相の析出抑制および助剤添加量の低減により、従来にない極限高温下で耐用可能な窒化ケイ素セラミックスの実現が可能となることが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)