Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
本課題では,ゼオライト及び酸化物へ,プローブ分子としてCOとピリジンを吸着させ,透過型赤外分光法を用いて吸着状態を観測・解析することにより,固体触媒の酸性質の評価を行った。HYゼオライトへのCO吸着を行った結果,ゼオライトの酸性水酸基(ブレンステッド酸点)への吸着に帰属されるピークに加え,ルイス酸点への吸着に帰属されるピークがわずかに観測された。同じ試料へのピリジン吸着の結果からも酸性水酸基への吸着とルイス酸点への吸着が確認された。ゼオライトの酸性水酸基は,高温で真空排気することによりOH基が脱離し,ルイス酸が生成するといわれているが,高温排気処理前にもHYゼオライト上にルイス酸点が存在することが明らかになった。高温での排気処理を行い,ルイス酸が存在すると考えられるHYゼオライトへのCO吸着の結果,ルイス酸点への吸着に帰属されるピークが排気処理前のものに加え新たに観測された。ルイス酸点への吸着に帰属される2本のピークが何に起因するものなのかを調べるために,アルミナとシリカアルミナへのCO吸着をゼオライトの場合と同様の条件で行い,それぞれの帰属を行った。これらのルイス酸点は酸強度が異なるため,COを少量吸着させるとCOは強い酸点から吸着した。COの導入量と各ピークのピーク強度を測定することにより,各酸点へ吸着したCOの吸光係数を求めることができた。これにより,ゼオライト上の強度の異なる酸点の量を定量することが可能になり,実用触媒や新規に開発された固体触媒の酸量の精密な評価が可能となる。
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