温度圧力可変培養器を用いた資源開発に有用な耐熱性・耐圧性微生物のスクリーニング
Project/Area Number |
18760628
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Earth system and resources enginnering
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
菅井 裕一 Kyushu University, 工学研究院, 助教 (70333862)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
|
Keywords | 高温微生物 / 好圧性微生物 / 採油増進 / MEOR / 非水溶性ポリマー / 微生物群集構造 / 継代培養 / 好熱性微生物 / バイオリーチング / 微生物群集構造解析 / スクリーニング / Thiomonas thermosulfatas |
Research Abstract |
前年度の当該研究によって確立された耐熱性・耐圧性微生物のスクリーニング手法を用いて,資源開発とりわけ石油資源の開発に有用な耐熱性・耐圧性微生物の分離を目的として研究を行なった。 微生物を利用した石油の生産技術をフィールドレベルで展開している中華人民共和国吉林省の吉林油田において8つの生産井から油層永試料を採取した。これらの試料を研究室において,高温(50-75℃)および高圧(1-5MPa)条件下で5代にわたって継代培養し,耐熱性・耐圧性微生物をスクリーニングした。これと並行して各継代培養液の微生物群集構造解析も行ない,継代培養による微生物の淘汰状況をモニタリングしながら継代培養実験を進めた。 実験に供した8試料のうちすべての継代培養で増殖が認められた試料は4試料であった。さらに,石油資源の開発に有用な機能性および各継代培養における微生物群集構造の再現性の高さを指標として検討した結果,非水溶性ポリマーの生成が認められ,継代に拠らず安定した微生物群集構造を示す1種類の集積培養菌がスクリーニングされた。非水溶性ポリマーは微生物が集合して形成されており,これを生産する微生物を石油の生産に利用した場合,微生物によって生成された非水溶性ポリマーが油層内の流れの卓越した領域を閉塞して,流れの不均一性を均一に改善し,生産効率の向上に資する効果が期待できる。同集積培養菌は50℃,1MPaの条件下で培養すると,1cm^2あたりに1.0×10^6個の微生物が集まった非水溶性ポリマーを生成し,石油の生産に有用な集積培養菌であるといえる。さらに同集積培養菌の培地に硫酸イオンを添加すると目視レベルで非水溶性ポリマー生成量の増加が認められた。同集積培養菌は,もともと油層内に生息していたため,フィールドへの適用可能性も高いと考えられ,石油の生産に有用な耐熱性・耐圧性微生物の獲得に成功したといえる。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)