重水素を用いたレーザープラズマによる陽子加速機構の解明
Project/Area Number |
18760659
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Nuclear engineering
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
余語 覚文 日本原子力研, 研究員 (50421441)
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Project Period (FY) |
2006 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥2,850,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2008: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | レーザーイオン加速 / 高強度レーザー / イオンビーム / 短パルスレーザー / レーザープラズマ / 高強度場科学 |
Research Abstract |
集光強度が10^<18>W/cm^2を超える高強度レーザーを固体薄膜に照射すると、エネルギーがMeVオーダーのイオンが発生することが知られている。通常の固体薄膜の場合は過剰密度プラズマ、すなわちレーザーの周波数よりも大きなプラズマ周波数を持つプラズマとなる。このようなプラズマにはレーザーは侵入できない。そのため、レーザーの大部分は表面で反射されてしまう。この問題を解決するために、本研究ではプラズマ密度を低減させプラズマ周波数がレーザーの周波数と同程度になるよう制御したプラズマ、すなわち臨界密度プラズマを用いて、レーザーをターゲットの内部まで侵入させて、レーザーのエネルギーをより効率的に加速エネルギーに変換する方法を実験的に実証した。加速機構の詳細を検討するため、プロトンビームの加速される方向による依存性を測定したところ、プロトンビームの高エネルギー成分はターゲット垂直方向からレーザー進行方向(45゜)ヘシフトしていることが明らかになった。2次元Particle-in-Cell(2D PIC)コードを用いて電子密度が臨界密度(〜5×10^<21>cm^<-3>)近くまで低下したプラズマを仮定してイオン加速のシミュレーションを行い、イオン加速機構を検討した。その結果、ターゲットに入射したレーザーは自己収束を起こしながら奥深くまで侵入し、レーザーのエネルギーが効率的に電子のエネルギーに変換されることが分かった。また、より高エネルギーのプロトンほどレーザー進行方向へ片寄って発生することが示されており、実験で得られたプロトンビームの異方性を説明することができる。従って本研究では、臨界密度に制御されたプラズマと高強度レーザーとの相互作用により生ずる磁場がイオン加速電場を保持することで、加速方向の異方性を伴うプロトンビームが発生したと結論する。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)