SARSコロナウイルスのヌクレオキャプシド蛋白質の構造生物学的研究
Project/Area Number |
18770079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Structural biochemistry
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坂井 直樹 Hokkaido University, 大学院・先端生命科学研究院, 助教 (20422008)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 構造生物学 / SARS / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
SARSコロナウイルスを構成する4つの構造蛋白質のうち,ウイルスゲノムRNAに結合してらせん状のヌクレオキャプシドを構築するヌクレオキャプシド蛋白質(NP)の構造生物学的研究を行い,NPの機能を中心としたSARSコロナウイルスの宿主細胞における増殖機構,およびウイルスの構造形成の分子機構に関する知見を得ることを目的に研究を実施した.本年度はNPとウイルスゲノム由来のmRNAに共通に存在するリーダー配列を持つRNAとの複合体の調製を行った.実験では複数の条件下でRNA結合条件を検討したが,有効な結合条件の画定には至らなかった.また,引き続き,NP全長の結晶化条件の検討を行ったが,結晶を得ることはできなかった. 本年度途中でNPが同じくSARSコロナウイルスの構造蛋白質の1つである,M蛋白質と結合することにより新規ウイルス粒子の形成を促進するというデータが細胞生物学的,分子生物学的実験により得られた.また,この結合に関わるNPの責任アミノ酸が同定された.そこで方針を変更しMとNPの複合体を形成させ結晶化させることとした.大腸菌組換え発現系を用いたところMが不溶性となったことから,段階透析法によるMの巻き戻しを実施し,現在も条件を検討中である.並行して大腸菌を宿主としてNPとMを同時に発現させる共発現系の構築も行った.共発現したNPとMの複合体の収量が低かったことから効率よく回収するための条件を検討中である.またNPとMを変性した後に混合し,共存する状態で段階透析法による巻き戻しをおこなう共巻き戻し法の条件検討も並行して行っているところである.
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)