シトクロムcの翻訳後修飾を行うタンパク質システムの作用機構の解明
Project/Area Number |
18770102
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional biochemistry
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
内田 毅 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 助教 (30343742)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2007: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
|
Keywords | ヘムタンパク質 / 共鳴ラマン / シトクロムc / 翻訳後修飾 / チオエーテル結 / チオエーテル結合 |
Research Abstract |
本研究は、シトクロムcという原核生物から真核生物までほぼすべての生物が有するタンパク質の成熟化を行うタンパク質群であるCcm(Cytochrome c maturation)の作用機構を明らかにすることを目的としている。シトクロムcはミトコンドリアの呼吸鎖における電子伝達タンパク質と機能する他、細胞死であるアポトーシスの引き金となるタンパク質であることから、生成及びその品質管理を理解することは重要であると共に、CcmはC型ヘムを有するタンパク質を大腸菌や無細胞系で発現させる時には必須である、その効率の点で未解明な部分が多く、Ccmの理解はタンパク質工学的にも重要な課題の一つである。 本研究の共同研究者であるOxford大学のFerguson教授らの研究により、8個存在するCcmタンパク質の中でもCcmEがヘムをシトクロムcに引き渡し、チオエーテル結合の形成という翻訳後修飾を行うことが生化学的に報告されていた。我々はこの機構を詳細に検討することを試みた。Ferguson教授らは細菌(Hydrogenobacter thermophilus)由来のシトクロムcを用いていたが、今回、ホ乳類であるウマ、及び酵母であるSaccharomyces cerevisiae由来のシトクロムcを用い、翻訳後修飾過程を検討したが、翻訳後修飾は形成されなかった。これは、CcmEによるシトクロムcの選択性を表している。CcmEとこれらのシトクロムcの相互作用を表面プラズモン共鳴装置により解析したが、全く相互作用しなかった。以上のことから、CcmEはシトクロムcのある特定の部位を認識し、ヘムの受け渡しを行っていることがわかった。今後はH. thermophilus由来のシトクロムcの認識部位を明らかにすることを試みる。それにより、CcmEを利用したより広汎なC型ヘムをもつタンパク質の翻訳後修飾につながり、外来タンパク質の発現における有用な情報が得られると期待される。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)