酵母の細胞増殖、機能に果たすポリアミンの生理的役割
Project/Area Number |
18770105
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
植村 武史 Chiba University, 大学院・薬学研究院, 助教 (50401005)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | ポリアミン / 輸送 / 出芽酵母 / 翻訳 / COX4 / リボソーム / シャンティング / ジャンピング / リン酸化 |
Research Abstract |
ポリアミンは、ほとんど全ての生物に存在する生理活性アミンであり、細胞増殖に必須の因子である。細胞内ポリアミン濃度は、生合成、分解、輸送により厳密に調節されている。本研究では、輸送による細胞内ポリアミン濃度調節機構及びポリアミンの生理的役割を明らかにすることを目的として検討を行った。 1ポリアミン特異的取り込み蛋白質の同定 我々は、出芽酵母アミノ酸輸送蛋白質GAP1がポリアミンを輸送することを報告した。今回、ポリアミンを特異的に輸送する蛋白質の同定を試みた結果、尿素輸送蛋白質DUR3がポリアミンを特異的に輸送することを明らかにした。また、S-アデノシルメチオニン輸送蛋白質SAM3がグルタミン酸、リジンと共にポリアミンを輸送することを明らかにした。DUR3の活性は、PTK2(Polyamine transport kinase 2)によるリン酸化により活性を調節されることが明らかになった。 2.ポリアミンの生理的役割解析 ポリアミンは細胞内でRNAに多く結合していることから、蛋白質の翻訳を促進することにより、細胞増殖を促進すると考えられている。本研究では、ポリアミンにより、リボソーム蛋白質mRNAの発現が上昇することを明らかにした。リボソーム蛋白質遺伝子の発現に必要な転写因子IFH1、FHL1の合成は、ポリアミンにより翻訳レベルで促進された。また、細胞増殖にはATP合成も必要であるが、ポリアミンによって、細胞内ATP量は約2倍に上昇した。さらに検討した結果、ミトコンドリア呼吸鎖の蛋白質の1つであるCOX4の合成がポリアミンにより翻訳レベルで促進されることを明らかにした。COX4の合成促進機構として、翻訳開始時にリボソームがmRNAをスキャニングする際、ポリアミンが存在するとmRNAの高次構造をリボソームがジャンプし、開始反応が促進することが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)