タンパク質の分子内・分子間コミュニケーションによる構造転移の基礎理論
Project/Area Number |
18770128
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
寺田 智樹 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 講師 (20420367)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 生物物理 / 蛋白質 / 分子モーター / ナノバイオ / 統計力学 / アロステリック転移 / 概日リズム / システム生物学 |
Research Abstract |
タンパク質のアロステリック転移を記述する基礎理論として、前年度に構築したカメレオンGoモデルを用いて、アデニル酸キナーゼの構造転移についてランジュバンダイナミクスによる分子動力学計算を行った。パラメータの変化による振る舞いの変化を調べたところ、適切なパラメータのもとでは二状態的な構造転移がみられ、実験と同様のbimodalな距離分布が再現できた。このときの自由エネルギーランドスケープをエネルギーとエントロピーの成分に分解すると、これら二つの成分はそれぞれ単調に変化するにもかかわらず、微妙なバランスにより途中に自由エネルギー障壁が出来ていることがわかった。このような自由エネルギー障壁のできかたはフォールディング・アンフォールディングと類似しており、興味深い。 また、アデニル酸キナーゼ以外の6種類のタンパク質に対してもこのモデルを適用した計算を行ったところ、構造変化がヒンジ状のときはアデニル酸キナーゼと同様に二状態的な構造転移がみられるのに対して、構造変化がずり運動状のときは場合によりさまざまな自由エネルギーランドスケープが得られ、その結果、二状態的になる場合とならない場合があることがわかった。これらのタンパク質における構造変化の比較から、動きを大きく制限するようなコンタクトの形成が伴っているかどうかが二状態的になるかどうかを決めており、アデニル酸キナーゼのようなヒンジ状の構造変化ではより二状態的になりやすくなっているものと推測される。 さらに多量体タンパク質に対しても計算が出来るようにプログラムの拡張を行い、ヘモグロビン四量体の構造転移についても予備的な計算を行った。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)