Project/Area Number |
18770162
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cell biology
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
永山 昌史 Hokkaido University, 工学院工学研究科, 助教 (70374585)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
|
Keywords | 脂肪細胞 / 脂肪滴 / タイムラプス観察 / 脂肪分化 / 細胞分裂 / 脂肪分解 / 脂肪分解酵素 / 細胞形態 / 脂肪滴結合タンパク / 脂肪滴融合 |
Research Abstract |
本研究の目的は、脂肪細胞の分化過程に現れるマクロスケールのダイナミクスに特徴的な時空間パターン、およびその制御機構を明らかにすることである。当該年度は、(1)脂肪分化時の細胞分裂と(2)脂肪分解時の脂肪滴の挙動の2つのダイナミクスを中心として研究を行った。 ラット内臓脂肪組織由来の初代細胞群がin vitroで脂肪細胞へと分化する過程をタイムラプス観察したところ、25%の細胞は脂肪滴を蓄積した後でも細胞分裂によって増殖することが明らかとなった。分裂後の2匹の娘細胞はそれぞれ親細胞の約50%ずつの脂肪滴を含んでおり、脂肪滴自体は分裂しないことを示している。このような細胞分裂は播種58〜118時間後に見られ、それ以降は見られなかった。PPAR-γの活性化によって発現が誘導されるタンパクの一つであるペリリピンの免疫蛍光染色を行ったところ、播種72時間後にはほとんど全ての細胞で脂肪滴表面にペリリピンが局在していた。即ち、これまで増殖停止の十分条件であるとされてきたPPAR-γの活性化だけでなく、その下流で働く因子によって細胞分裂が制御されていることを示唆する。次に、ノルエピネフリンおよびイソプロテレノールによって分化後期の脂肪細胞に脂肪分解を誘導し、この時の脂肪滴の挙動をタイムラプス観察した。この結果によると、脂肪滴を収縮させる細胞だけではなく、逆に脂肪滴を成長させる細胞も見られた。また、、収縮する脂肪滴と成長する脂肪滴が一つの細胞内に混在していた。さらに、脂肪分解酵素であるATGLとホルモン感受性リパーゼ(HSL)の免疫蛍光染色を行ったところ、ATGLは細胞ごとに発現量が異なること、一つの細胞内においても脂肪滴ごとにHSLの局在が異なることが明らかとなった。以上の結果から、脂肪細胞の細胞分裂および脂肪分解は、細胞ごとに非同期的な挙動を示すことが明らかとなった。
|