Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Research Abstract |
細胞周期制御の観点においてES細胞の自己複製様式は非常に特異であり,これを支持している分子基盤の解明はES細胞の自己増殖機構及びその未分化状態の維持機構を理解する上で大変重要であると期待される。申請者らは未分化ES細胞特異的に大量発現する細胞周期制御因子としてCdc6,ASK,Cychin A,Cyclin Bの4つのキーファクターを既に同定しているが,これらは全てユビキチンリガーゼAPC/Cの基質であった。また,未分化ES細胞ではAPCの活性阻害因子Emi1が大量発現しており,この発現制御がES細胞分化の分化誘導に伴い急速に減少することを見出した。このEmi1の発現制御領域にはE2F転写因子結合部位が複数存在し,その転写活性は細胞の分化状態に依存的してE2Fファミリーによる制御を受けることを明らかにした。当該年度ではこの発現制御機構のさらに詳細な解析を目指してChlP assayを行い,これらE2F結合部位上に,未分化状態では活性促進的,分化誘導時には抑制的なE2F複合体が形成されることを示した。一方でEmi1のsiRNAを行ったところCyclin A,BやGemininがタンパク質レベルで減少するとともに顕著な再複製が引き起こされることを見いだした。さらに生細胞での細胞周期進行のモニタリングを可能とした蛍光タンパク質マーカーFucciを用いた解析により,未分化ES細胞の細胞周期においてもAPC/C依存的な複製制御因子のタンパク質分解が起こること,さらにレチノイン酸処理によりG1期が顕著な分化細胞型の細胞周期が誘導されることを明らかにした。以上の知見は,E2Fファミリーにより制御されるEmi1がES細胞の分化状態に依存した細胞周期制御の一因を担うことを強く示唆するとともに,未分化ES細胞での細胞周期依存的な複製制御因子の分解を初めて示すものである。
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