Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
1.ミヤコグサへのcrtW遺伝子の導入と形質転換体後代の解析:海洋細菌由来のカロテノイド生合成遺伝子(crtW)を導入し過剰発現させたミヤコグサは,花色が黄色から濃い黄色またはオレンジ色に変化した.花弁からカロテノイドを抽出し,HPHCおよびTLCで分析したところ,本来ミヤコグサには含まれない桃色から赤色を示す数種のケトカロテノイドが検出された.また,花弁の組織切片を観察したところ,本来の黄色の有色体以外に桃色から赤色の有色体が含まれていた.これらの結果から,ミヤコグサの花色変化は新たなカロテノイドであるケトカロテノイド類が花弁で合成され蓄積した結果であることが明らかになった.つまり,カロテノイド色素を用いた花色改変が可能であるという結論を得ることができた.さらに,この形質転換体の後代におけるcrtW遺伝子の発現および花色を調査した結果,形質転換体後代においても, crtW遺伝子の発現,ケトカロテノイド類の合成・蓄積が確認された.しかし,花色については, crtW遺伝子をホモで保持する系統を含む全での系統で,形質転換体当代とほとんど変化がなかった.このことから,さらに劇的に花色を改変するには, crtW以外の遺伝子の導入によるケトカロテノイド含量の増加や,花弁特異的プロモーターによる花弁組織特異的なカロテノイドの合成・蓄積が必要であると考えられた.2.複数のカロテノイド生合成遺伝子の導入:ケトカロテノイド含量のさらなる増加を目的として, crtiやcrtZ遺伝子などのcrtW以外のケトカロテノイド合成に関与する遺伝子を含むベクターを構築した.これらのベクターをミヤコグサに導入し形質転換体を作出したが,4月現在で開花に至っていない.今後は,開花花弁における花色調査,HPHCおよびTLC解析によるカロテノイド含量調査,サザン・ノーザン解析による導入コピー数や発現調査を行う予定である.
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