Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
薬用植物カンゾウは,マメ科の多年生草本であり,その地下部(肥大根およびストロン)は,医薬品および食品添加物原料として需要の大きいトリテルペンサポニンであるグリチルリチンを含有する。古くから,トリテルペンサポニンの薬理学的研究は数多いが,サポニンの生合成およびその制御機構は驚くほど研究が進んでいない。そこで,カンゾウの有用トリテルペンサポニンに注目し,その生産制御機構を明らかにすることを目的として以下の研究を行った。平成19年度内における研究成果は,1)18年度中に整備した完全長cDNAライブラリーから,グリチルリチン生合成経路においてβ-amyrin 11位酸化酵素として働くP450(CYP88ファミリー)および,ソヤサポニンの生合成経路においてβ-amyrin 24位水酸化酵素として機能すると考えられるP450(CYP93ファミリー)を単離,機能同定した。2)これら2種のP450およびβ-amyrin合成酵素は類似した遺伝子発現パターンを示すことから,これら3種の遺伝子について,プロモーター領域をPCR-based walking法により単離し,プロモーター領域中のシス配列の候補(モチーフ)の分布を比較した。これにより,3種の遺伝子に共通して見られるシスエレメントの候補を見いだした。3)プロモーター::GUSレポーターコンストラクトを構築し,パーティクルガン法によるプロモーター解析に着手した。トリテルペンサポニン生合成において骨格形成以降のステップに関わる酵素(P450および配糖化酵素)の同定は未だ数例に限られている。今回,カンゾウにおいてトリテルペンサポニン生合成に関わる2種のP450を同定し,さらに,その発現制御を担うプロモーター塩基配列を明らかにできたことから,今後,「シス配列の特定→シス配列に作用する転写因子の単離」といったアプローチが可能となった。同時に,cDNAライブラリーからの転写因子遺伝子の抽出と塩基配列決定も継続して行い,発現パターンを指標とした候補の選定も進めた。
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