Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
本研究では,当初,ルシフェラーゼを含有した狂犬病ウイルス様粒子(VLP)を作製し,これを利用した迅速,安全かつ簡便な本ウイルス中和抗体価測定法の確立を試みてきた。これまでの研究により,ウイルスのヌクレオカプシドを構成するN蛋白質のC末端に外来蛋白質を融合した蛋白質は,ウイルス粒子内に取り込まれることが報告されている。そこで,平成18年度は,ルシフェラーゼ含有VLPを産生するためにN蛋白質-ルシフェラーゼ融合蛋白質の作製を行い,本融合蛋白質がウイルス粒子に取り込まれるか否かを検討した。しかし,N蛋白質-ルシフェラーゼ融合蛋白質がウイルス粒子内に取り込まれる効率は極めて低く,ルシフェラーゼ活性を基にVLP感染を定量することは困難と考えられた。そこで,本年度(平成19年度)は,この問題を解決するために,ルシフェラーゼ遺伝子をゲノムに組換えたG遺伝子欠損狂犬病ウイルスの作製を試みた。本ウイルスは,受容体結合蛋白質をコードするG遺伝子を欠損しているため,プラスミドからのG蛋白質の発現供給が無い限り,感染性子孫ウイルスを産生しない。本ウイルスを用いて,当初の計画通り,新しいウイルス中和抗体価測定法の確立を試みた。 狂犬病ウイルスRC-HL株の遺伝子操作系を用いて,ルシフェラーゼ遺伝子組換えG遺伝子欠損狂犬病ウイルスの作製に成功した。同ウイルスの感染細胞では,接種したウイルス量に依存的なルシフェラーゼ活性検出された。したがって,この実験系を用いることにより,ウイルスの感染を容易に定量できることが明らかとなった。しかし,通常の中和抗体測定法に用いるウイルス量(200フォーカス形成単位)を接種した場合,明瞭なルシフェラーゼ活性が検出されるようになるのは接種後12時間であった。今後,より迅速にウイルス感染を検出するために,ルシフェラーゼ発光反応に用いる基質,用いる培養細胞の種類,ウイルス量等を検討する必要があると考えられた。
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