イヌ・ネコにおけるてんかん原因/関連遺伝子とてんかん素因の解析
Project/Area Number |
18780241
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Clinical veterinary science
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
長谷川 大輔 Nippon Veterinary and Life Science University, 獣医学部, 助教 (20366793)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | てんかん / イヌ / ネコ / 遺伝子 / 電位依存性クロライドチャネル / 遺伝子解析 / クロールチャネル |
Research Abstract |
てんかんは全ての哺乳動物に起こりうる共通の脳の慢性機能性の病態生理学的機構であり,獣医小動物臨床において最も一般的に遭遇する脳疾患の1つである.特に犬でその発生率は高く,遺伝的素因が疑われるものの,これまで犬で一般的に認められる特発性てんかんの原因遺伝子の同定には至っていない.これに対し,ヒトの特発性てんかんでは幾つかのてんかん症候群でその原因遺伝子が同定されてきている. 犬の特発性てんかんの原因/関連遺伝子の候補として,発作型が類似するヒト特発性全般てんかんの原因遺伝子として考えられている,電位依存性クロライドチャネル遺伝子(CLCN2)に着目した.犬においてCLCN2遺伝子は未同定であったため,バイオインフォーマティクスとクローニング技術を利用し,正常犬の脳組織からヒトCLCN2と相同の遺伝子を同定した.その結果,犬のCLCN2遺伝子は第34番染色体上に存在し,24のエクソン,2715bpの塩基(904のアミノ酸)から構成されることが判明し,ヒトのそれと95%の相同性を示した.また全身臓器および脳各部位でのCLCN2発現量を調査したところ,脳,脊髄,副腎に多く発現し,脳では全領域で発現し,特に小脳での発現が多かった.これはCLCN2がGABA作動性抑制性ニューロンに多く発現することに一致する所見である.さらに我々は犬CLCN2をクローニングしていく過程において,1つのバリアントアイソフォームを発見した.これはエクソン14の5'側に54bpの挿入配列を有し,かつエクソン17(174bp)が完全に欠損するものであり,フレームシフトを生じて864のアミノ酸からなるアイソフォームを形成する. 今回我々は,前述したアイソフォームの生理学的意義の検討や,犬特発性てんかんの臨床例における遺伝子解析まで進むことができなかったが,今後の研究課題としてより一層の研究を進めていく所存である.
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)