Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
Type III分泌機構を特異的に阻害する化合物は、抗菌性を主体とした従来の抗生物質とは異なり、殺菌せずに病原性グラム陰性細菌の感染過程を防ぎ、菌交代症や薬剤耐性菌出現の問題を克服した新規抗感染症薬への展開が期待される。北里研究所において単離されたGuadinomine類は、Type III分泌機構依存的な赤血球溶血作用に対し強力な阻害活性を示し、Type III分泌機構に特異的な阻害剤として期待される。これらの化合物は天然からの供給が極微量であることから、ペプチド部分(L-Ala-L-Val)を除く相対ならびに絶対構造が不明であった。 このような背景から、新規な抗感染症薬の創製を指向し、量的供給及び絶対構造決定を目的に不斉全合成を始めた。平成18年度においてはその生合成中間体であり2つの不斉炭素を有するKO1-0509 B化合物の4種の立体異性体を不斉全合成し、天然物と比較することでその絶対立体構造を決定した。平成19年度では立体不明な6つの不斉炭素を有するGuadinomineCのピペラジノン部分について、モデル化合物の合成を行うことで、ピペラジノン部分の構築法の確立ならびに絶対構造の推測を行い、その結果Guadinomine C_2のピペラジノン部分の絶対構造を3S,5S,6Sと推測した。次に推測したピペラジノンの立体配置を有する Guadinomine C_2の不斉全合成を達成し、その結果、天然物Guadinomine C_<22>の絶対構造を3S,5S,6S,2'S,3'R,4"R,2'"S,2""Sと決定した。さらに上記で決定したGuadinomine C_2の絶対構造を参考に、強力なType III分泌機構阻害活性を有するGuadinomine Bの全合成も達成し、Guadinomine Bの絶対構造を2S,3S,6R,7S,4'R,2"S,2'"Sと決定した。この全合成による化合物供給により詳細な生物活性試験の研究が開始されている。
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