Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
小脳初代培養系およびヒト神経芽細胞腫由来IMR-32細胞におけるメチル水銀誘導性神経細胞死誘導機構を探る中で,poly (ADP-ribose) polymerase (PARP)阻害剤である3,4-dihydro-5-[4-(1-piperidinyl) butoxy]-1(2H)-isoquinolinone (DPQ)がその細胞死を抑制し,その他PARP阻害剤はその抑制が見られないこと,そしてグルタチオン(GSH)減少処理(BSOおよびDEM処理)による細胞死へもDPQは効果的に抑制することを明らかにした。グルタミン酸,NMDA,3-NPA,MPP処理による神経細胞変性モデルに対しては,DPQは抑制効果を示さなかった。メチル水銀・BSO・DEM処理による細胞死には活性酸素種が関与する。DPQは,これらのGSH減少による細胞死には効果的であることから,DPQの「GSH量への影響および抗酸化能」を検討したが,DPQはGSH量を変化させず,抗酸化能も持たなかった。従って,細胞保護作用を示す何らかの遺伝子発現に関与すると考え,本年度は,細胞内の酸化還元状態に関与する因子(GSH peroxidase, superoxide dismutases, GSH reductase, thioredoxin, thioredoxin reductases)の発現を検討したが,DPQによる有意な変化はなかった。平行して遺伝子発現変化を網羅的解析するsuppression subtractive hybridization法により,発現変化のある遺伝子を検出した。Heat shock protein (HSP)70がDPQ処理細胞で有意に増加していた。HSP70の神経細胞保護作用が報告されていることから,DPQの細胞死保護作用は,DPQ処理によりHSP70の発現が増加することで,メチル水銀から神経細胞を保護すると思われた。
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