Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
種々のがん患者の予後を規定する要因であるリンパ節転移のメカニズムについては未だ詳細は明らかとなっていない。リンパ管内皮細胞の培養・維持・継代は非常に困難であり、リンパ管内皮細胞を用いた研究は初代培養系で行われている。従って、リンパ管新生の詳細な細胞・分子レベルでの機序解明を推進するにあたり、安定したリンパ管内皮細胞株の樹立が待望されていた。既に我々は、温度感受性SV-40 Transgenicラットから、リンパ管内皮細胞(TR-LE)樹立し、33℃において培養することで、in vitroリンパ管新生評価系の開発を成功したばかりである。今回、この評価系を用いて、リンパ管特異的に発現している遺伝子をgene chipを使用して探索した。その結果、特徴的な17、の遺伝子を確認することが出来た。また、Western blottingにより、リンパ管新生時においてこれら分子の発現は上昇していることが確認された。次に、ヒト初代培養リンパ管内皮細胞に関して、これら17の分子の発現に関して調査した。その結果、TR-LEと共通して、リンパ管新生の際に発現が亢進する10の分子を同定することが出来た。現在、腫瘍リンパ管が確認できる組織標本を多数症例搭載した、腫瘍リンパ管高集積性組織アレイを作成中である。今後は、既に報告がなされているリンパ管マーカーであるポドプラニンの発現と上記10の分子に関しての発現を、本アレイを用いて免疫染色により確認し、臨床統計学的な解析により、新規腫瘍リンパ管新生マーカーを同定する予定である。
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http://www.inm.u-toyama.ac.jp/pb/gyoseki/2007.html