Project/Area Number |
18790145
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General anatomy (including Histology/Embryology)
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
澤口 朗 University of Miyazaki, 医学部, 准教授 (30336292)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 高圧凍結技法 / 胃底腺 / 単離胃粘膜 / 超微形態 / 壁細胞 / 回復期 / プロトンポンプ |
Research Abstract |
胃酸分泌に与る胃底腺壁細胞は、摂食からしばらく続く酸分泌刺激状態と食間から食前にかけての休止状態を繰り返す。このうち休止状態から酸分泌刺激状態へ移行する「酸分泌刺激時」の壁細胞動態については、1980年代に初代培養壁細胞や単離胃底腺などの実験モデルが確立されて以来、数多くの新知見が集められてきた。しかし、酸分泌刺激状態から休止状態へ移行する「酸分泌後回復期」の壁細胞動態に関しては、再現性の高い実験モデルがなく不明な点が多い。我々は生体の胃粘膜に近い組織形態を保ち、ヒスタミン等の試薬に速やかな反応性を示す「ラット単離胃粘膜モデル」の応用研究により、再現性の高い酸分泌後回復期壁細胞の実験モデルを確立し、高圧凍結技法による回復期壁細胞の形態変化ならびにプロトンポンプの局在変化を解析した。 その結果、酸分泌後回復期の壁細胞は頂上膜を細胞内に回収後、いわゆるオートファゴソームとは異なる「特異な多重膜構造」を形成し、頂上膜に局在するプロトンポンプ(酸分泌に関与)を回収・処理しながら酸分泌休止状態へ回復することが示唆され、論文ならびに学会報告した。この酸分泌後回復期壁細胞モデルを用いたさらなる解析によって、酸分泌状態から休止状態へ移行する壁細胞の形態変化や、プロトンポンプを有する細胞膜動態の解明が加速されるものと期待される。さらに、酸分泌刺激後の単離胃粘膜において、胃小窩部壁細胞が胃小窩内腔に剥離する現象を見出した。興味深いことに、剥離した壁細胞内にもプロトンポンプを有する多重膜で構成された多数のオートファゴソーム様構造が電顕レベルで観察されており、現在、臨床で汎用される胃酸分泌抑制剤:H2レセプター阻害剤とプロポンプインヒビターを用いた応用研究を進めている。
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