腸管神経と腎臓の発生過程の動的観察とGDNFシグナルの役割の解明
Project/Area Number |
18790154
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General anatomy (including Histology/Embryology)
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
上坂 敏弘 The Institute of Physical and Chemical Research, 神経分化・再生研究チーム, 研究員 (90304451)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | GDNF / 腸神経 / ヒルシュスプルング病 / RET / 細胞死 / Hischsprung病 / 神経栄養因子 |
Research Abstract |
神経堤細胞が腸管全体に移行し、神経分化をすでに開始しているマウス胚15.5日目にGDNF受容体を条件的ノックアウトしたところ、結腸遠位部以降において36時間以内に神経網が消失することを見いだした。つまり、生体内でGDNFシグナルが腸神経細胞の生存に必須であることを初めて示したことになる。ヒルシュスプルング病における腸管壁内神経節細胞の先天的欠損は神経堤細胞の移行異常によるものと従来考えられてきたが、我々の研究により、GDNF/RETシグナルの減少による神経細胞死の可能性が新たに出てきた。そこで、Ret遺伝子変異によるヒルシュスプルング病モデルマウスを作製し、細胞死の有無を検証した。我々は、マウスにおいてRETチロシンキナーゼの発現を通常の約30%に下げることで、従来のRetノックアウトマウスと異なり、腎臓やモーターニューロンの発生異常は認められず、結腸遠位部以降の腸神経の欠損が認められ、またこの異常の発症率がオスに高い傾向がみられるというヒルシュスプルング病の多くの特徴を示すことを見いだした。このモデルマウスにおいてRetの発現の減少が後腸遠位部の神経細胞の細胞死を引き起こすことをtime-lapse観察、電子顕微鏡観察により確認した。このモデルマウスは、Ret遺伝子変異によるヒルシュスプルング病の発症メカニズムの解明につながる有用なツールであり、発症に神経堤細胞の移行異常だけでなく神経細胞死が関与していることを強く示唆した初めての研究である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)
-
[Journal Article] Conditional ablation of GFRα1 in postmigratory enteric neurons triggers unconventional neuronal death in the colon and causes a Hirschsprung's disease phenotype.2007
Author(s)
Uesaka, T., Jain, S., Yonemura, S., Uchiyama, Y., Milbrandt, J., Enomoto, H.
-
Journal Title
Development 134
Pages: 2171-2181
Related Report
Peer Reviewed
-
-