動物モデルを用いた動脈硬化病変形成におけるL-PGDSの役割の解明
Project/Area Number |
18790178
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General pharmacology
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三輪 宜一 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 助教 (60346773)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | L-PGDS / 動脈硬化 / 頭動脈障害モデル / 15d-PGJ2 / ApoE 欠損マウス / 頸動脈障害モデル / Apo E欠損マウス |
Research Abstract |
本研究ではL-PGDSの動脈硬化病変形成における病態生理学的役割を解明するために、動脈硬化であるアポリポ蛋白E(ApoE)欠損マウスとL-PGDS欠損マウスを掛け合わせたダブル欠損マウスを作成し、L-PGDSの欠損が動脈硬化の進行におよぼす影響を検討した。同時に、ラット頸動脈傷害モデルを作成し、傷害血管壁にL-PGDS遺伝子を過剰発現させて傷害後の内膜肥厚を抑制できるかどうか検討した。 APOE欠損マウス、ダブル欠損マウスを2ヶ月齢から高脂肪食で3ヶ月間飼育し、5ヶ月齢で大動脈弁および大動脈起始部-腹部大動脈分岐部を摘出した。解剖時の血圧、脈拍ともにApoE欠損マウス、ダブル欠損マウスで差が見られなかったが、体重は有意にダブル欠損マウスで増加した。MRI像ではダブル欠損マウスでは、皮下脂肪、内臓脂肪ともに増加しており、組織標本では脂肪細胞の肥大が見られた。大動脈弁の動脈硬化巣形成面積比率はダブル欠損マウスで有意に増加しており、炎症性サイトカインの分泌を免疫染色にて確認したところ、MCP-1およびIL-1βの発現が亢進していた。また、大動脈のスダンIV染色でもダブル欠損マウスで動脈硬化巣形成面積の増加を認めた。 LPGDS遺伝子搭載センダイウイルス(SeV-LPGDS)を導入した培養ラット大動脈平滑筋細胞ではL-PGDSの蛋白発現が著明に増加した。また、基質であるアラキドン酸の存在下では培養液中のPGD_2,15d-PGJ_2の濃度上昇を認め、増殖が抑制された。ラット頸動脈傷害モデルでは、SeV-LPGDSを血管内膜側および外膜側に導入したところ、傷害後14日目において、コントロール群に比べて有意に内膜肥厚を抑制した。血管外膜側への15d-PGJ_2投与でも同程度の抑制を認めたが、PGD_2は無効であった。 以上のことから、L-PGDSは生体内において、おそらくは下流の15d-PGJ_2を誘導することにより炎症性サイトカインを抑制し、動脈硬化病変形成を抑える可能性が高いと考えられた。岡時に、脂肪細胞の増大によると考えられる肥満の発症にも関与している可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)