Project/Area Number |
18790190
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 裕之 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 助教 (70375509)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | c-Myc / Tsc-22 / 幹細胞 / 転写因子 / 癌 |
Research Abstract |
c-Mycは転写因子として細胞の不死化、多能性の維持、mRNAの翻訳促進などに関わる遺伝子の転写を活性化し、p15,p21などの細胞増殖を抑制する遺伝子の転写を抑制して細胞増殖を促進する。本研究では、c-Mycの新たな結合タンパク質としてTsc-22を同定した。さらに、Tsc-22は、c-Mycによるp15、p21プロモーターの転写抑制作用を解除する働きを持つことを明らかにした。一方、Tsc-22はc-Mycによる転写活性化作用には影響を与えなかった。 本年度はこのようなTsc-22の作用機構を明らかにすることを目的に研究を行った。まずTsc-22発現株を用いたクロマチン免疫沈降により、Tsc-22発現株ではc-Mycのp15プロモーターへの結合が低下していることを明らかにした。また、Tsc-22はファミリー分子間で保存されている特徴的なTsc-boxとロイシンジッパードメインを持ち、ダイマー形成にはロイシンジッパードメインが重要であると報告されている。本研究でTsc-22とc-Mycの結合には、Tsc-22のダイマー形成が重要であることを明らかにし、さらにそのダイマー形成にはロイシンジッパードメインだけでなく、N末端(15-31)も重要であることを明らかにした。またTsc-22のN末端(1-14)を欠失した変異体は、c-Mycには結合したものの、c-Mycによるp15、p21プロモーターの転写抑制解除作用を失っていた。このことから、この領域がc-Mycの機能調節に重要であると考えられた。さらに、Tsc-22の組織内分布を検討した結果、Tsc-22は多くの組織で陽性であった。腸陰窩には、増殖が比較的遅い幹細胞と高い増殖性と多分化能をもった前駆細胞が存在することが知られている。Tsc-22とc-Mycは十二指腸や空腸のKi-67陽性の増殖帯に発現が認められた。以上の結果から、Tsc-22はc-Mycと結合することで転写制御因子としてのc-Mycの機能を特異的に調節していることが示唆された。
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