Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本研究ではGALNT3変異による家族性腫瘍性石灰化沈着症発症機構を解明するため、FGF23の糖鎖修飾に着目した。前年度で解析したGALNT3の発現とFGF23の分子安定性の関連をさらに解析するため、Po1 II系プロモーターを持つRNAi発現ベクターを用いてGALNT3を含む複数のGALNTアイソフォームに対して特異的RNAiコンストラクトを作製しHEK293細胞に一過性あるいは恒常的に発現させた。このRNAi発現細胞にC末端にV5およびHisタグ配列を付加したFGF23をHEK293細胞に一過性に発現させた。解析の結果、GALNT3を特異的に抑制したHEK293細胞で培養上清中のFGF23分子の顕著な減少を確認した。次に分解前の状態のFGF23の糖鎖修飾を解析するため、FGF23分子のプロテアーゼ切断部位をアミノ酸置換したR176QおよびR179Q変異型FGF23をHEK293細胞に導入した。ウェスタンブロット解析から、完全長FGF23の分子サイズに複数のバンドを確認した。分子サイズの変化は糖鎖修飾によるものと考えられた。さらに、糖鎖修飾部位を解析するため、プロテアーゼ切断部位にあるT178スレオニン残基をアラニンに置換したR176Q T178A変異型FGF23コンストラクトを作製し同様に解析したところ、糖鎖修飾による複数のバンドは消失し、1本の完全長FGF23を示すバンドのみを確認した。この結果から、HEK293細胞においてFGF23のムチン型糖鎖修飾部位はT178であり、この部位のムチン型糖鎖修飾にバリエーションがあることが明らかとなった。野生型FGF23とR176Q T178A変異型FGF23の比較解析から、T178への糖鎖修飾はFGF23の分子安定性に重要であり、GALNT3はその部位への糖鎖修飾によりFGF23の分子安定性に寄与していると考えられた。
All 2008 2006
All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)
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