Ras標的蛋白質ホスホリパーゼCεが制御する癌化シグナルの解明
Project/Area Number |
18790223
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
枝松 裕紀 Kobe University, 医学系研究科, 助授 (70335438)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 癌 / 慢性炎症 / 尋常性乾癬 / 疾患モデル動物 / ホスホリパーゼ / サイトカイン / 分子生物学 / ホルボールエステル / シグナル伝達 / ras遺伝子 / 炎症 / モデル動物 |
Research Abstract |
ホスホリパーゼCε(PLCε)の発癌における機能の解析を、腸癌モデルマウス(ApcMinマウス)を用いて進め、PLCεノックアウト背景での腫瘍形成と悪性化の抑制を見出した。また、ノックアウトマウスから調製した初代培養皮膚細胞を用いた解析から、ホルボールエステル(TPA)によるIL-1αなどのサイトカインの発現がPLCεノックアウトにより抑制されることを示し、二段階皮膚化学発癌実験においてPLCεは、主にTPA誘発性の炎症制御を介してプロモーションに関与することを示した。初代培養真皮線維芽細胞を用いたシグナル伝達系の解析から、TPAがプロテインキナーゼC、およびRasGRP3依存的に低分子量GTP結合蛋白質であるRap1の活性化を介してPLCεを活性化している事を明らかにし、これらのシグナル系がTPAによる腫瘍プロモーションに関与している可能性を指摘した。また、デキストラン硫酸ナトリウムによる腸炎モデルや、ハプテン誘発性の接触性皮膚炎モデルを用いた解析から、PLCεノックアウトマウスでのサイトカインmRNA発現誘導の低下を伴う炎症の抑制を見出し、PLCεがサイトカイン産生制御を介して広く炎症応答に関与している事を明らかにした。皮膚癌発症へのPLCεの関与を解析する目的で角化細胞特異的にPLCεを過剰発現するトランスジェニックマウスの作出しを試み、成功した。表現型解析により、このマウスがヒト尋常性乾癬に酷似した慢性皮膚炎を発症することを明らかにした。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)